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萩焼

 会社を置いてある地元に、焼き物市が来ていたので、少々散策をしてきました。


 最初は、備前焼で面白いものでもあればと思っていたのですが、あまり良いものが無く、隣の萩焼のブースを冷やかしに行ったのですが……
 これが、実は大当たり。
 とっても良いマグカップをかなりの安価で手に入れた上、店主の親父さんとその友達の骨董屋さんに、様々なぐい飲みでの試飲をさせて貰いました。


 店頭に非売品として飾ってあった60万円の萩最高峰の作家品2品の飲み比べからはじまり、琉球王朝の数百年前のもの、500年以上は経っていると思われる古瀬戸、などなど。
 極めつけは、李朝の粉ひきのぐい飲みと、青木木米。
 まさか、お宝鑑定団でも偽物ばかり出てくるような、李朝と青木木米の本物を使うことの出来る日が来るとは思いもしませんでした。(木米は、何しろ、日本三大陶工の一人ですから。)


 これらで驚いたのが、ぐい飲み一つで、本当に酒の味が変わると言うこと。たかが紙パックの鬼ごろしが、途方もない美酒に変わりました。
 それも、口のあたりがどうのデザインがどうのといったいかにもそれっぽい話ではなく、単に、良い器にはきちんと酒が染み、そこから良い味が出るという単純な理屈なんです。
 もちろん、わずかに残る器の土自体の味も、大きく左右しているのは間違いないところです。
 琉球の器は辛く、李朝の器で飲む酒は水のように清み、青木木米で飲む酒はどこまでも甘いものでした。
 どれも到底買えない価格帯の器ばかりですが……本当に良い経験をさせていただきました。
 なんでも、このお二人「萩焼の将来のためには、買い手にも目利きを育てなければならん」と、市を出すと決めた時点で、若い奴らを捕まえていい器で酒を飲ませる企画を企てていたようです。
 私のような素人に器を持たせれば落として割る危険もあるというのに……
 まさに、未来を考えた、素晴らしい賢人お二人ではないかと思います。


 ちなみに私が買ったのは……


 写真の通りの、こういうマグ二つ。
 左側のものが、かの玉村登陽、右のものが若手の作家さんの作です。
 店主の親父さん曰く、若手の作家さんのものの方が土に石を混ぜるなどの工夫をして土を軟らかくしてあるために味の染みが良く、短期間でモノになるそうです。
 反対に、玉村東陽の方は、焼きが堅いために味が出来るまでに100年はかかるかも、と言われました。(100年残して欲しいという、作家の欲、なのでしょうか?)
 値段や作家の評価だけではその個々の器のその時点での良し悪しはわからないんですよね。
 個人依頼品ではなく店舗依頼の大量制作品とはいえ、本来両方とも1万円近いものですが、合わせてウン千円に負けて貰いました。
 明らかに、値段の方でも出世払いにして貰った形です。
 本当にありがたく、また、必ずや将来には買い手としての力を身につけなければならないと、心に強く思った一日でした。




追伸:
 今、若手作家のマグカップの方に、スプリングバンクの10年を入れて飲んでみましたが、最高です……
2008-05-16_23:30-teduka::General

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