Calender

<   January 2011   >
SunMonTueWedThuFriSat
      1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031     



SEARCH



Twitter


Peugeot Link


 Panasonicの業務用カメラ、AG-AF105を導入してから早くも1ヶ月が過ぎた。
 ここで、ざっくりと今までの使用雑感をまとめてみたい。

前提:なぜ、今、大判素子レンズ交換式(DSLR、DSMC)なのか?
 これは二つの側面がある。一つはコスト、もう一つはクリエイティビティだ。

 大判素子レンズ交換式カメラのメリットであるコスト面では、「過去のレンズ資産が使える」という点と「新規調達・運用コストが安い」という2つのポイントが、このブームの火つけ役となっている。
 前者は、従来の大手プロダクションが「レンズが共用なら試しに導入してもいいかなあ」と思える消極的理由であり、後者は中小零細から果ては個人クリエイターまでが「この運用コストなら手元に置ける!」と積極導入する理由となる。
 逆に言えば、豊富なレンズ資産を持つ大手プロダクションにとっては、従来機材のラインを放棄してまでDSLR/DSMCを導入するコスト的メリットは、実はあまり無い。カメラ本体の数百万円の価格差など、1日に数百カットを創り出す大規模プロダクションにとっては誤差の範囲だ。一方、この過去のレンズが使えるというのは、中小零細個人クリエイターたちにとってはあまりメリットがない。一部のカメラオタクであれば話は別だが、中小零細個人クリエイターたちが過去のレンズ資産など持っているはずもなく、中古品でいろいろな古いレンズが使えるところで、結局調達コストがかかってしまうことには変わりはないわけだ。
 それに対し、新規調達・運輸コストの安さは、中小零細個人クリエイターたちにとっては、劇的な変化をもたらす。今までレンタル屋でぎりぎりの時間だけ借りていたハイエンド映像機材を常に手元に置けるようになるということは、面倒なコスト計算から解放されると言うだけでなく、機材習熟時間を充分に得られ、自分なりの機材工夫を行うことが容易になるという事に直結する。大手プロダクションと中小零細個人クリエイターたちにあった明確な画質の違いは、その多くがこの習熟時間の差と、機材工夫の差であった。DSLR/DSMCで手の届くところに降りてきた機材を常に自分の横に置くことでそこが一気に埋まるのだから、これは大きい。
 実のところ、コスト面でのDSLR/DSMCのブレイクは、中小零細個人クリエイターたちの切望によるものだというのがわかる。

 もう一つがクリエイティビティだ。
 大判素子と大口径レンズがもたらした画質は、従来のビデオ機材の枠を一気に飛び越えて、フィルムに迫る圧倒的な質感をもたらした。REDのRAW撮影やダイナミックレンジをたたみ込んで撮影するAF100/AG-AF105のDRS撮影などは、デジタルならではの、フィルムを越えた表現可能性を持っているとすら言える。
 大手プロダクションにとっては、従来の35mmの距離感や手法がそのまま使えるデジタルムービーカメラが登場したことは大きなメリットだろうし、35mmカメラなど手元に置いたことのない中小零細個人クリエイターたちにとっても、従来の小型機では出来なかった表現を一気に手に入れられたのだから、大きなメリットがある。

 無論、日本ではこの絶望的な不況時ではあるのだが、不況なのは日本とせいぜい米国くらいで、実は日本と香港以外のアジア各国では好景気が続いている。つまり、DSLR/DSMCの世界的ブームの主因は、実は不況によるコストダウンだけではない。世界的ブレイクが起きたのは、あくまでも「個人クリエイターが常に所有できる映画クオリティカメラ」というところにあるのだ。


AG-AF100/AF105メリット:
 次に、上記を前提として、いよいよAF105の話題だ。まずはメリットから。

・コスト
 AG-AF105は、コスト面のメリットが非常に大きい。
 まず、本体価格の安さ。これは触れるまでもないだろう。日本国内のAF-105もついに60万円を切るところも出始め、米国版のAF100では40万円台中盤だ。しかも、一眼レフと異なり、特に出力系リグなど組まなくとも、全て必要なコネクター類は本体に初めからセットされている。ここまで安くこのクオリティを手に入れられるカメラは他にない。

 次いで、運用コストの安さだ。
 AF105は、m4/3レンズを使用する。そのため初期運用コストが極めて低く抑えられるのが特徴だ。
 一眼レフの5Dmark2や後発のF3などでもレンズ交換は当然可能だが、いずれもPLや従来のフルサイズ向け一眼レンズ対応を主眼に置いていて、どうしてもコストがかかる。
 その点AF105は、フランジバックの極めて短いm4/3だけあって、安価なm4/3レンズから運用を開始することが出来、さらに将来的にはアダプタを介してPLレンズやフルサイズ一眼レンズまで、大部分のレンズをサポートできる。
 現実的な使い方としては、常時運用はm4/3や安価なローコストラインの一眼レンズなどで行っておき、ハイクオリティ要求が来たときのみ、PLレンズやハイエンド一眼レンズをレンタルで導入するという形式となるだろう。
 それでも、実際に所有してみて思ったが、この画質のカメラを常に手元に置けるメリットは極めて大きい。
 急な撮影のお話でも、今までであればレンタル屋やカメラマンに電話をして予定を組んでから返事というところを、その場で即答できるのはありがたい。

・豊富な入出力系
 AG-AF105の大きなメリットの一つが、DSLR/DSMCに分類されるカメラながら、ちゃんと、業務用の入出力系を一式持っているところだ。
 しかも、HDMIとHD-SDI、USB2.0のコネクタは、いずれも非圧縮4:2:2のフルHD出力が可能で、ATMOS NinjaやKiPROなど、外部レコーダーの利用が容易な点も優れている。
 外部レコーダーの利用を前提とすれば、事実上バックアップとなる本体記録がSDカード記録、しかも2スロットなのも「わかっている」。SxSなどの高価な記録媒体を4:2:0の本体記録(≒バックアップ)に使うのは現実的ではない。バックアップはSDカードで充分なのだ。
 音声入力もキャノン端子で、本物のマイクが挿せ、レベル調整も出来る。
 ウェーブモニタやカラーバー出力なども可能で、現場で調整しながらの撮影も容易だ。
 実際、色の狂いなどを、屋外撮影で、外部モニタなしでどんどん調整出来たのは、このサイズのカメラとしては画期的だった。
 安価ながら、きちんと業務に使えるカメラなのだと実感した。

・m4/3マウント/素子
 やはり、AF105最大の魅力は、そのマイクロフォーサーズ(m4/3)マウントにある。

 まず、なんと言ってもレンズが安い!
 m4/3は、民生用エントリー規格として作られたマウント規格だけあって、一眼カメラとしても極めて安いレンズが揃っているのが特徴だ。
 例えば、コシナのフォクトレンダー ノクトン 25mm 0.95は、その明るさと質の高さながら、10万円前後という安価な実売価格で驚かされる。量産が効く民生機ならではの価格設定なのだ。パナソニックからも、低いF値のズームレンズが多数開発用意されていると聞く。

 それだけではなく、極めて浅いフランジバックのため、マウントを使えば、ほとんどのレンズが装着可能というのも大きい。
 私も、CanonのEFレンズを持っているため、このアダプタの発売を待っている状態だ。絞り操作も可能なEFマウントアダプタは、この春には発売予定で、テストデモ実機も出回っているという噂を聞いている。

 m4/3の撮像素子は、従来機とDSLR/DSMCの中間的サイズにまで小さくなってしまうが、実はこれがいい味を出している。5Dmark2などのフルサイズ素子だとどうしても甘くなりがちな画を、素子のほどよいサイズで気持ちよく抑えているのだ。
 私は以前、PRONEWSさんのラウンジ放送( http://www.pronews.jp/special/interbee2010/1011191610.html )で、「DSLRの”ボケてればお前ら気持ちいいんだろ!?”というブームはすぐに終わる」と予言したが、まさにそれを体現しているカメラがこのAF105なのだ。
 素子の大きさを生かした低ノイズ・高画質を、ある程度絞ったレンズでちゃんと見せるのがDSLRの行くべき道であり、その点、このAF105のm4/3素子の大きさは、極めて適当であると言えるのではないか。


AG-AF100/AF105デメリット:
 反面、デメリットも当然ある。

・未知数
 AF105は、従来型カメラではもちろん無いが、実は、DSLR/DSMCのそのどちらともちょっと違うという、完全にコンセプトから何から何まで新しい機材故に、どうしても未知数なところが多い。
 特に、コストを削ってしまっている部分は、業務機としてどうしても気になる。
 例えばマウントも、m4/3マウント特有のレンズの遊びには個体差があることが予想され、レンズ重量制限も1キロと小さい。
 機材自体も小さくなるため、大型カメラの周辺機材は使えず、かといって、一眼レフ向けの周辺機材も使えない。しかし、従来のローエンド向け周辺機材ではハイエンド機に匹敵するAF105に対して全く性能不足であり、AF105向けの機材を導入する必要も多々出てきてしまっている。
 また、発売直後のためレインカバーもない。現状、傘をさして撮影しているが、風が吹くとカメラが濡れるわけで、危なくてしょうがない。

・練り込みの不足
 なぜかオートホワイトバランスセンサーがマットボックスやレンズフードで隠れる位置に付いているなど、新ジャンルカメラならではの練り込み不足が若干見える。
 リモコンも、業務リモコンではなくなぜか民生リモコン対応になっており、画質コントロールは本体側で行うしかない。(反面、民生機向けの赤外線リモコンが使えるので、リモコン利用での一人撮りなど、いろいろな遊び方は思いつくのだが)
 REDや5Dmark2以来要求の増えている静止画撮影機能も省かれており、パブ打ち用などのカメラ同位置撮影にはいちいち別の一眼レフカメラにカメラを置き換えて目分量でレンズ設定などを寄せて撮影しなければならない。(フレームの切り出しは出来るが、これはせいぜいWeb用で、HDサイズではパブ打ちにはまったく使えない)
 また、個体差もまだまだ有り、レンズマウントの遊びなどでは、展示機と手元機で感じが違う部分もある。

・サポートの不足
 また、Panasonicさん自体がまだレンズ交換式カメラそのものに不慣れなため、サポートが不足していると感じることがある。
 中でも、素子ローパスフィルタやレンズマウントの安価なクリーニングサービスはレンズ交換式カメラには必須のものだと思うのだが、驚くことに、Panasonicでは、民生機業務用共に、実はこのサービスそのものが存在していない模様だ。
 先日も撮影前にちょっとクリーニングして貰おうと思って問い合わせたのだが、無理にクリーニングを頼んでもあくまでも修理扱い(数万円)となってしまう、という回答で、ちょっと驚いた。
 確かにフランジバックが浅く、シャッターも無いため、素人でも比較的掃除しやすい撮像素子構造ではあるのだが、それでも、微細な傷一つで何もかも台無しになるローパスフィルタをユーザー自身にクリーニングさせるという姿勢には疑問を持たざるを得ない。
 その代わり、ビデオカメラには豊富な経験があるPanasonicさんだけあり、AF105でもP2カメラ準拠の3年保障には入ることが出来る。しかし、その保障サービスにはローパスや素子のクリーニングサービスは含まれてない。第一、テープレスのこの時代、カメラ本体が壊れることもほとんど無いだろう。やはり、1日も早く、クリーニングサービスが始まることを祈る他無い。

2011-01-29_13:56-teduka-C(5)::creative

 菅直人政権によって、戦前の新聞洗脳教育が復活してしまいました。
 下記は、漫画家のカサハラテツロー先生の投稿ですが、小学校で新聞購読が義務化され、そのパンフレットが児童に渡されているようです。しかも、購読料は全て児童の親の自費とのこと。めちゃくちゃです。
http://twitpic.com/3pmibn

 どうも新聞各社が菅政権の「殺小沢」に協力的だと思っていたら、こういう裏取引があったんですね。
2011-01-13_22:17-teduka-C(0)::Politics

 皆様、あけましておめでとうございます!
 本年も何とぞ宜しくお願いいたします!
2011-01-01_00:14-teduka-C(0)::General