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 ご存じの通り、秋葉原の事件以来、通り魔が多発しています。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20080729-OYT1T00451.htm
 これに対して警察がとっている対策が、ナイフ取り締まりの厳格化で、先日のラジオ報道によれば、秋葉原の事件以降、東京区内だけでも150件以上の摘発を行った、とのことでした。
 もしこれが全員凶悪犯やその予備軍であれば、数年分の犯罪を予防したと言えるほどの人数です。


 しかし、そんな警察の自称大戦果をよそにして、ニュース記事の通りに、通り魔はいっこうに減らないどころか、激増しています。
 それも当然の話で、警察が町中で取り締まっているのは、カッターナイフや十徳ナイフ(警察用語でアーミーナイフ)なのです。
 当たり前の話ですが、そんなちゃちなものでは人はなかなか殺せませんから、無差別殺人事件の犯人がそんなものを持ち歩く理由もなく、減少には全く結びつかないのです。
 つまり警察が捕まえているのは、たまたま工作道具や日常的に十徳を持っていただけの、犯罪の意志のない善良な一般市民である、ということになります。
 そうでなければ、この厳戒体制下・刃物の取り締まり状況下での通り魔事件の多発は説明することが出来ません。


 そもそも、昨今日本の国力が低下してしまっている理由の一つとして、応用力の低下、ものづくりの能力の低下が叫ばれ、その主要な要因として、子供の頃から刃物に親しんでいないため、ものづくりの経験がない大人が増えている、ということが言われて久しいのです。
 刃物は、人類が最初に触れた道具の一つとされる、非常にプリミティブな道具で、なんにでも使える万能の道具といえます。
 逆に言えば、そういう道具であるだけに使い方を間違えれば人を傷付けることも出来るのは当然で、使い方をしっかりと学ぶということの大切さや、使い方の創意工夫の重要性を思い知ることの出来る、素晴らしい道具であるといえます。


 昨晩は、平塚で珍しく、十徳ナイフを使っての通り魔が発生しましたが、幸いにして被害者は全員軽傷とのこと。構造上力一杯刺すことの出来ない十徳ナイフの殺傷力は、警察の持つ樫の警棒よりも低いといわれていますので、その程度の被害だったのはある種当然といえます。
 今回の平塚の事件では、犯人の女が前夜に包丁を持って自宅で暴れており、一歩間違えれば包丁を使われるところだったと言われています。
 包丁での通り魔であれば被害はもっと深刻であったのは間違いがないところで、あえて刺激的に言えば、平塚の事件では、犯人が凶器に十徳ナイフを選んだことが被害の減少に直結しているとも言えます。
 それなのに、警察が取り締まるのは十徳ナイフなどの、市民の身近にある比較的安全な刃物。
 警察力を使って市民の手からますます身近な刃物を遠ざけるようにしておいて、その一方で、刃物に親しむ必要を強調するのは、いかがなものなのでしょうか?


 現実問題として、刃物の所持を禁止するのではなく、小型刃物を所持免許制などにして、家庭外での所持に一律に制限をかけるのが望ましいのではないでしょうか?
 この免許は小学校高学年で取得させ、犯罪や目的外などの不法所持が発覚したら、減点。場合によっては取り消し。取り消し者には再講習。
 現行の国民は当然全員免許所持状態から始め、制度施行からは、同様に減点対象とする。(刃物店などで簡単に登録できる仕組みが望ましい)
 日常的に多用する道具であるだけに、施行の面倒はかなりあるでしょうけれども、こうすれば、刃物の持ち方に対する再教育の機会が与えられて、刃物を用いた犯罪の抑止となり、また、職業や趣味での必要性から刃物を持ち歩かなければならない人にも優しいのではないかと思えるのですが……


 私も、個人的な問題として、十徳やカッターすら持ち歩けない現状が、不便でたまりません。
 デザイナーとして、カッターを使う機会がなにかとあるのですが、その度ごとに先方に頭を下げて貸して貰ったり、コンビニでカッターを買いに行っている有様です。
 出先で買った瓶飲料の口が開けられずに難儀したり、何かの拍子に指にとげが刺さっても抜くことすら出来ません。
 キャンプなどで山に入ったり、釣りに行っているときの方が、十徳を手元に置いておけるため、よほど便利なのです。
 免許制は私の妄想に過ぎませんが、せめて、十徳や小型カッターは制限から外して貰わないと、生活自体が本当に不便です。
2008-07-29_18:45-teduka::Politics

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