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「助六」詳細

 町内会の話題ばかりでもなんなので、愛刀の話でも。


 愛刀は、命名上手の妻により、「助六」と命名されました。
 なんでも、「助廣の可能性が四分六だから、助六」だそうです。
 安い寿司セットを連想させますが、まあ、安刀には適切この上ない名前と言えましょう(^^;
 友切丸でも曾我五郎でもないあたりが、とても適切です。


 ちなみに、今回はそんな安刀「助六」の詳細です。


 まず、刀身の写真。
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 ご覧の通り、柄から見てもかなりの長刀です。
 直刀に近い、反りの非常に少ない太刀姿のため、こいつを帯に納めると抜刀納刀がやっとやっとという感じです。
 子供の頃習った半端なものではなく、ちゃんと居合を習い直さないと厳しそうです。
 ちなみに試しに稽古着に袴を履いてこいつを腰に差したところ、「一本差しが似合っている」というのが妻の談。
 「どこからどう見ても、山で見かけた瞬間に有り金全部置いていきたくなるような見事な野武士」だそうで。
 ……そりゃまあ、こればっかりは血ですからねえ。
 京の公家たちに木曽の山猿呼ばわりされた遺伝子を引き継いじゃっているわけで。


 次いで、地肌。
 どこからどう見ても安刀の「助六」唯一の自慢は、その詰んだ地肌の美しさ。
 こればかりは、本物の助廣に迫る出来です。

 蛍光灯の明かりにすら、折り返し鍛錬で出来た板目や杢目がはっきりと見えますね。
 この出来から見ても、新々刀期の量産鉄では有り得ず、新刀期以前の作であることは間違いのないところです。
 古刀をわざわざ助廣の贋作にするのも不自然ですから、新刀は確定かと思われます。
 いずれにしてもこの地肌といい、帽子の形と良い、この「助六」、助廣本人の作かどうかは置いておいて、助廣の関係者の作ではあるのでしょう。


 最後に、鍔。

 実はこの鍔も、安拵えとはいえ、時代物です。
 良くある、老人が釣りをしている風景なのですが、実は、その絵が、目抜きや柄頭へと繋がっています。
 総じて見ると、梅の木の下、海で老人が釣り糸を垂れている図になるのです。
 この拵えを作った人は、相当に風流な趣味人であることは間違いがないところです。
 ……うーん。ひょっとしたら、この刀を買った店主先生が選んだのかな?


 それにしても、なんというか、刀を手にすると身が引き締まります。
 この緊張感を得るだけでも、安刀とはいえ、なけなしの小遣いをはたいた甲斐があったというものです。
2008-06-23_04:01-teduka::iai

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