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2008年→

2007年12月

12/31(月) 10:48

 今年を振り返って。

仕事
 仕事面では、前半超絶好調、後半かなりの不調でした。
 前期の黒字でいい気になりすぎて中盤以降好きなものを作りすぎ、後期の損失につながった感じですね(^^;
 あとは、中国インドと正面から価格で張り合う羽目になったのが痛いところ。今のところは向こうの超一流エリートよりもうちのほうが品質が上なのが救いですが、同じ価格でも生活水準がまったく違うので、今後が心配なところです。だからといって中国への外注はまだまだ品質的になかなか困難であることも実感しましたし。ここは、米国や韓国のように、政府運営のアニメ・ゲームファンドなど、思い切ったサポートが欲しいところです。
 さて、儲けは横に置いておくと、今年弊社が関わったゲーム、アニメともに好調。ホームページのほうも営業のお役に立てたようで、そこは一安心です。顧客満足度は非常に高い一年であったようです。
 追加の大きな反省面としては、新人育成にお金を使いすぎました。
 本来、新人育成はもっと大きな企業の仕事なのだから、他社さんのように中途採用のみに絞ってもよいのでしょうけれども、もともと若手クリエイターの集まり・表現実験場として興した会社であるだけに、新人育成をあきらめるのもなんだかなあ、という感じです。
 漫画は、周りからは描け描けと言われていますし、ファンの方からのメールも来ていますが、いやあ、アレ、ぜんぜん儲からないんでもう少し会社の利益出ないときついんですよ。私はエラい遅筆なので一人で連載維持できないし、かといって漫画用のアシスタントスタッフを雇うと今度は漫画だけじゃ絶対に給料をペイできないし。とんでもない目にあうのも懲りたし(^^;
 漫画は、そこそこ売れる単行本を一冊出しても、せいぜい2、300万円の世界ですからね。それで年2冊が限界じゃあ、警備員かなにかのアルバイト並みの収益です。連載なんて1ページ1万円行かないんですから、材料費や経費で消えちゃいます。今のところは仕事ではなく、趣味の世界ですよね。
 実際、ちゃんと会社で回している漫画家さんって、さいとうたかをさんや赤松健さんなど、ごく少数なんです。
 まだ小説やシナリオライターのほうが、一人で完結できる分、営業事務分担などすれば業務になるんじゃないかと。実際それでやってらっしゃる会社さんも結構な数ありますし。
 小説書いてよ、という話が来ればうっかり乗ってしまうかもしれません。いや、もちろん、会社の経営のほうを大事にしますよ、はい、ええ、もう、絶対。スタッフの皆様、誓って。ええ。
 オリジナル商品を出すとしたら、ゲームかアニメかなあ。あるいは思い切って、喫茶店経営とかいかにもデザイナーっぽい路線もありかも。
 アニメ・ゲームオタク向けの喫茶店ならぬ、アニメやゲームを作っているオタクが経営している喫茶店(笑)

 とはいえ、年が明ければようやく弊社も10期目。
 周りがバタバタと潰れてゆく中、CG・デジタル映像の世界では、世界でも古参の企業のひとつになってしまいました。(日本ではうちより古いCG系会社さんは片手で数えられる有様です)
 ここまで生き残ってこれたのもお客様企業やスタッフの皆さん、そしてもちろんアニメがゲームを愛してくださる方々など、周囲の皆さんのおかげと、深く感謝しております。
 皆さんに支えられて生きていることを実感しています。


趣味
 趣味は、前半、ヨットの気合を入れました。
 仕事の出張の足をちょっと伸ばして、オーストラリアのグレートバリアリーフで、RYAのショアベースヨットマスター、プラティカルベースコースタルスキッパーを取ったのは、これは一生の思い出です。
 5日間ヨットから一歩も下りずにせいぜいアンカリングのみで過ごす経験なんて、日本にいてはほとんどのヨットマンが経験できないことですから。
 ブラインドナビゲーションでは、航海術の自信がかなり深まりました。
 嵐の深夜のセーリングも、今では良い思い出です。豪州軍のヘリに遭難と間違えられてサーチライトを当てられましたっけ(笑)
 出張のたびにマリーナに足を伸ばして見比べた結果、わが愛艇を泊めている日本の某マリーナが世界最高クラスの良いマリーナであることにも気が付きました。特にマリーナスタッフと、オーナーさんたちの人柄が最高です。
 また、愛艇かるがもん(Flicka20)のオズモシス対策に乗り出したのも大事なポイントでしょう。来年、対策の効果がどう出るか楽しみです。

 ただ、後半は忙しく、なかなか船に乗れていません。
 正直なところを言うと、オーストラリアの海と日本の海とを比べるとどうしても、仕事を無理に休んで売り上げに悪影響を出してまでヨットに乗る気にはなれないんですよね。
 出かける先も制限の多い、綺麗とも言い難い日本の海かと思うと、なかなか遠出をする気も起きず……
 見るべきものは見つ、という気もしてしまうんです。
 愛艇かるがもんが高値で売れるうちに、なんていう邪心も、ついつい芽生えてしまいます。
 うーん。
 こりゃ、オーストラリアでいい思いをしすぎましたね。

 後は、車を買い替えたのも今年の後半のビッグニュース。
 プジョー206SWクイックシルバーサウンドリミテッドレザーパッケージというディーラーカスタム車で、かなり安く入手できました。(とはいえ、孤独なローンレンジャーの仲間入りですが)
 車の良さもさることながら、この車を介して出会ったフランス車仲間の人柄の良さに感動しています。
 自由を愛し、気ままで、ちょっとおしゃれで、でもいざとなると体育会系(笑)
 故障の多いフランス車に敢えて乗っている人たちだけに、色々と学ぶべきところも多いです。
 おかげで、10年ぶりに深夜の大黒集会なんて行っちゃいましたよ。
 日本がフランスや英・米、豪州のような海洋国家であれば、本来、ヨットをやっている人かもしれないたちなんだろうな、と、ふと思いもします。
 ヨットと違って決められた道路を走るしか出来ないが車の欠点ですが、それでも、ワゴン車になったおかげで、いろいろなところに気軽に出かけられるのはいいですね。
 積載量万歳!


生活
 生活面では、親しい友人がバタバタと倒れたのが印象的な一年でした。
 しかも、みんな脳やら心臓やら、やばいところをやっているわけで。
 私のほうも、鼻の具合で通院をしたり、エコノミークラス症候群で病院に担ぎ込まれたりとなかなか大変な一年でした。
 そんな中、妻の頭の怪我の具合が良いのは、安心材料ではありましたが。
 でも、やっぱりみんな、なんだかんだと年を食っているんですよね。
 オジサンになったなあ、と自覚をする一年でもありました。
 健康には気を使わないといけませんね。

 とか何とか言いながら、今年は、良いバーをいくつか見つけた幸せな年でもありました。
 バーは、結局人間が大事。気が合って、受け入れてくれるお店を見つけられるのは、幸せなことです。
 憧れのバーエポペでのクリスマスミサに参加したのも、良い思い出です。
 とはいえ、初詣にもちゃんと行く、典型的日本人であるわけですが(^^;

 犬との暮らしも安定してきて、今年に入ってから飼い主の怪我が激減したのは吉報です。
 四苦八苦の末、ようやくしつけが行き届いてきました。
 2歳までは狂犬同様、という定評はまさにその通りでしたね。11月、3歳を迎えることには、素直ないい子になっていました。
 でも、相変わらず落ち着きはゼロ。待てといわれりゃ待つのですが。ハアハアハアハア言いっぱなしです。
 放って置けば、クッションくわえながら部屋もずっと走っているし。
 26キロもある、でかくていい番犬なんですが、想像していたボーダーコリーとの暮らしとは、なんか違う気が。
 ちなみに、ヨット講習の際に御一緒した農家出身の娘さんHanaによると、原産地スコットランドでは「Border Collie has intelligence. But they are MAD.」というそうで。あんな狂犬を良くもはるばる遠い日本なんかで飼う気になったね、と驚かれ、呆れられました。
 妙に納得する言葉です。

 来年初頭からはいよいよ政治塾が始まりますので、新しい出会いがたくさんあることと思います。
 また、フランス車やヨットの集まりも、色々と参加してみるつもりです。
 来年は、人との出会いで自分の人生がどう変わってくるのか、そこが一番楽しみなところです。


12/29(土) 01:03

 でもこのアイラ、一杯あたりに換算するとえらく安いんですよねえ……
 うう。貧乏なのに。


12/29(土) 01:01

 今年は車を買うという大イベントがあり、それが人生の大きな転機の始まりでもありました。
 私は元々何か物を欲しがるタイプではなく、車もただ乗れりゃあいいやと思っていたのですが、愛車のプジョー206SWQS(SL-LP)は私や妻を魅了し、瞬間的に購入を決定。生まれて初めてのローンまで組んでしまいました。
 買ったあとも(燃費が異常に悪い以外は)本当にいい車で、何かと便利に運んでくれるだけでなく、人と人の縁を結んでくれ、会社のスタッフとの仲を強化してくれ、また、事故からも身を守ってくれるなど、すばらしい献身ぶりを示しています。
 この車とそれが結び付けてくれた周囲の人々のおかげで元気が出て、漫然とオタク稼業を続けるのではなく、色々と人生にチャレンジを始める気になったのです。
 以前の船もそうでしたが、いいものというのは、人と人をつないでくれるものを指すのだな、と思えるのです。

 とはいえ、こちらは貧しいオタク稼業。妻と共働きとはいえ、ほいほいと物が買える人生を送っているわけではありません。
 車と船で、ひいひい言っている赤貧人生です。

 しかし、ここでまた、そんな赤貧を脅かす新たな物欲がっ!!

http://www.rakuten.co.jp/scotchshop/456797/541345/

 クラシック オブ アイレイ 10L樽

 そう、アイラ・モルトの樽売りです(^^;
 い、いや、でもこれは、人と人をつなげるとも思えないので……買いませんよ、たぶん、ええ、きっと。


12/28(金) 23:37

■C型肝炎 グロブリン製剤にウイルス(読売新聞 - 12月28日)
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20071228-OYT8T00303.htm

 例によってニュースから。

 やっぱり来たか、という感じですね。
 実は、私は子供の頃、重症肺炎の治療でこの薬を使っており、心配はしておりました。同室の同病の女性患者(若い看護婦さんでした。子供だったので女性部屋だったのですね(^^;)が、非A非B肝炎(今で言うC型肝炎)になぜか感染してしまい、困惑しながらも病気の説明をしてくれたのを覚えています。

 ただ、今までの薬害肝炎問題と違い、モノがウィルス退治に使う免疫グロブリンそのものですから、この薬では相当に感染はしにくいとは思います。グロブリン問題での旧ミドリ十字の謎の自信満々の態度は、おそらくそれが根拠でしょう。(もっとも、旧731部隊の関連企業ですから、何でもかんでもとりあえずは自信満々なのかもしれませんが)

 実際のところ、私も免疫グロブリン使用から今まで散々医者にかかっていますが、まったくの健康体。
 色々と検査もしている身ですから、おそらく感染もしていないかと思われます。
 分かりやすくいうと、汚水が混じった消毒液を傷に塗られたようなもので、汚水にあたるウィルスの量がそれほどでもなければ感染はしないんですよね。
 ただ逆に言うと、グロブリンのみで100%ウィルスを潰すことは難しいわけで、当時のミドリ十字の資料でも、免疫グロブリン注射の副作用として非A非B肝炎の発症率が上昇することがある、とされています。
 つまり、当時から(少なくとも私が治療を受けた1985年初頭では)ウィルス混入の可能性を知っていたわけで、製薬会社もその副作用報告を受けながら放置した国も、今までの肝炎訴訟の流れから言って、この部分の責任は免れないでしょう。


12/25(火) 01:51

 先輩ライターK氏の御紹介で、かの有名なバー、エポペに行って来ました。
 遠藤周作氏の小説、おバカさんのガストン、そのモデルになったネラン神父のあの店です。
 サラリーマンに宣教するために風俗街にバーを開くんだから、なかなかたいしたものです。
 この日は、イブの店内ミサをK氏が司会をして、なおかつその後のバーテンもするというので、がちがちに緊張した偉大なるK先輩の姿を一目見てやろうと思っての参加です(笑)
 普段、Kさんの緊張した姿なんて見れないですからね!

 まずは、午後6時から降臨ミサ。

 あまり広くも無い、雑居ビルの店内に人が大勢集まります。20人は超えていたでしょうか?
 そんな中、初参加で洗礼も受けていない(要するに典型的日本人で、決して信者とは言いがたい)私に、いきなり先唱者として一人で祈る結構重要なパートを任され、気が動転!
 っていうか、隣にいた気楽に話しかけてたおじさんが、いきなり司祭服着始めるし。神父様だったの!?
 道理で落ち着いた人格者だと思ったら……
 これでは、Kさんを見るどころではありません。当然、写真もろくに撮れず。


 式次第は、Kさんが作られた口語体の今風のもの。カトリックをベースにしているようですが、幼い記憶の中のものとは結構違う感じ。プロテスタントや他宗教の人も多いから、こういう仕組みらしいです。なるほど。
 私が任された先唱パートは、以下のようなものでした。
「安心できる居場所を見出せず孤独感を抱えている現代の若者や、未来に多くの不安を持っている先進国の人々、困難に立ち向かっている途上国の人々に希望の光をお与えください。あなたの救いを信じる一人ひとりが、与えられた力を惜しむことなく生かし、苦しみ悩む人々の真の友となることが出来ますように。」
 まさに、今自分が悩んでいる新人教育などの問題と重なり、その偶然には驚きです。いや、これも一種の必然なのかもしれませんが。
 閉祭の際に歌ったあめのみつかいの歌は、ずいぶん久々に歌いました。
 思えば、幼い頃にクリスマスによく熱を出し、そのときに子守で歌ってもらったきりかもしれません。案外覚えているものですね。
 グロ〜〜〜リア、イン−エク−シェル−シス−デオ、と歌うと、不思議と平安な気持ちになります。

 ミサが終わると、廊下でのミニコンサートの後、いきなり大酒のみ大食モードです。
 ちなみに、廊下でのミニコンサートの合間で知りましたが、エポペは風俗店の並ぶこの雑居ビルで一番の古株の店だそうです。やるな、神の子羊。
 ネラン神父が大変残念そうに隣の桃っ娘クラブとか言う名前の風俗店の閉店を惜しんでいたのが、さすがです。最も人間臭く、汚れきったところにこそキリストは降りる。本当に小説のガストンそのものの人ですね。
 ウィスキー(なぜか一杯目竹鶴だった)やビールを飲みながら御馳走をみんなで食べるのですが、私のように洗礼を受けていない人も多く、価値観が近い人が多いので、会話が弾む弾む。
 言葉が日本語なのに、海外のパーティに近い感じで、なんとも不思議でした。

 まだ家に仕事もあったので皆さんに御挨拶をして先に帰りましたが、本当に心和む、よいお店でした。
 クリスマスくらいこういう気持ちで飲み食いするのはありですよね。
 この日は昼間に色々あって悩みが多かったのですが、それがうまい具合に昇華する、そんな素敵な経験でした。


12/24(月) 09:50

■天皇陛下74歳に、国民の食と住の不安に「残念」(読売新聞 - 12月23日 05:13)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20071223i501.htm

 自分自身の誕生日のおめでたい席に、残念、という言葉を使われるというのは、なかなかに出来ることではありません。
 自律のよく効いたなかなかの名君なのだなあ、と、つくづく感じ入ります。
 お言葉の全文を読んでも、一部メディア・皇族が主導する皇太子殿下御夫妻への批判に立ち向かわれる気持ちや、御自分が導入されたブルーギルから転じてのキャッチアンドリリースへの批判意見など、筋を通しながらもバランス感覚に富んだお話が多く、感心させられます。
 こうした筋の通し方とバランス感覚は、昭和先帝と共通し、そして皇太子殿下にも見られつつあるもので、天皇家の万世一系とは、本来こうした独特の帝王学を指すのではないか、などとも感じられますね。

 私自身を振り返ってみると、筋を通す方はともかく、リーダーとしてのバランス感覚にはもっともっと向上が必要だな、とつくづく思えます。


12/19(水) 02:03

 とりあえず、樽詰めを期に、自分のウィスキーコレクションのチェックを行いました。
 ウィスキーは、開封後何年も飲めるというワインよりも保存が楽な飲み物なのですが、それでも、時折はチェックをしないと品質に問題が出る場合があるのです。
 笑っちゃう話、安いボトラーもの(樽ごと買って自家熟成させたものを小分けで売る瓶詰め業者のもの)だと、コルクが劣化してかび臭くなったり、コルクがやせちゃってアルコールが無くなったりする事もあるそうで。

 で、自分の自宅にあったウィスキーコレクションの中からうちの社名にもなったアイラ島のものを中心に紹介。

 まず、左端のものが、W&M社のハウスモルトという安いボトラーものでって、おい!
 あちゃー。言っているそばからコルク破損です。

 とりあえず、樽につめたアイリークの空き瓶があったので、茶漉しで大雑把にろ過をして詰め直しました。
 こいつの中身はMedicinal&Smokyと書いてあるので、ラフロイグに確定。モルトの世界広しといえども、薬くさいなんて呼ばれて売り物になるモルトは現存する蒸留所ではラフロイグしかありません(その近くのラガブリンも強烈なのですが、さすがに薬くさいとは呼ばれず、ピーティーあるいはタール臭といった程度の表現になります)。
 1993年醸造、2001年樽詰めだから、8年物ですね。それにしてはずいぶん色濃く出ています。おそらくバーボンもののファーストカスクで熟成させたために、早熟しちゃって売り物にならず、W&Mのハウスモルトという形で売りに出したのでしょうね。早熟ものの特徴でオイリーさが残り、わずかにエグみがありますが、コルク劣化は味にあまり影響していない感じです。良かった。

 で、お隣のアイリーク(ILEACH)のビンが、詰めなおしたW&Mのラフロイグです。

 実は今日は仕事先の飲み会のあとだったのですが、そのついでにテイスティングしつつコレクション解説を続けましょう。

 その隣、白い紙ケースに入った一見高級そうなのがボウモア(BOWMORE)。紙ケースに入っているのはサントリー資本傘下に入っちゃったせいで、実はこれらの酒の中で最も安いものです。
 味は、アイラの定番。強い磯の香りと、甘い味。そして塩味。
 サントリーグループに入って味が落ちたといわれていますが、なかなかどうして。値段の割には結構まともな味をしています。

 その隣、フィンラガン(Finlaggan)は、元祖無銘ボトル。
 湖のそばに昔あったお城フィンラガン城の跡地で作られたとだけ書かれていて、蒸留所銘を伏せてあります。秘密めかすことで探究心を煽って売ろうというマーケティング戦略の一番手です。(前述のW&Mのハウスモルトも、アイリークも、このフィンラガンを真似した後発組です)
 中身は、世界中のアイラファンの間でカリラだのラガブリンだの言われていましたが、結局決め手に欠け、謎のおいしいモルトといわれていました。
 でも、それもそのはず、実はこのフィンラガン、その当時再開準備中だった閉鎖蒸留所、ブルックラディ(BruichLaddich)の再開宣伝のために作られたモルトだったんですよね。実際、写真には写っていませんが、手元にあるブルックラディ10年と飲み比べると同じ蒸留所の特徴がはっきりと出ています。って言うか、熟成年数の違いで出るオークの木の味の差を差し引くと、フィンラガンとブルックラディはまったく区別が付かないです。
 で、しかもこいつはフィンラガンの中の最上品の、21年物のアンチルフィルタード。
 香りはまるで花のようにとことん甘く、味はややピーティで麦芽の味がします。そしてフィニッシュにわずかに潮の香り。

 ……って、こいつもコルクが怪しい!
 乾燥して、コルクがやせ始めています。早めに飲まないと。
 ちなみに、同時期に買ったブルックラディ10年のほうも、しっかりちゃっかりコルクが甘くなっています。ブルックラディは自社で瓶詰めまでしている数少ない蒸留所なんですが、いやあ、本当に同じ蒸留所だわ、これ。そもそもビンが寸分たがわぬ同じものだし。

 最後右端が、ボトラー業者マッキロップチョイスのシングルカスク(単一樽出し)のコールバーン(COLEBURN)。実はスペイサイドモルトであり、アイラではありませんが、私の秘蔵品のひとつ。とうの昔に存在しない蒸留所のお酒なんです。
 今のモルトブームの前に閉鎖した蒸留所なので、営業中は常にブレンド用にBtoB取引専用に作られてきており、特に日本ではまったく知られておりません。
 味は、アイラ好きの私が好んでいる、というのがヒントになるでしょう。
 実はこいつも、薬品のよう、と評される数少ないモルトのうちのひとつなのです。先のW&Mのラフロイグの説明で、現存する蒸留所では唯一、としたのは、こいつがいるからなんですね。
 1980年のボトルです。貴重品です。

 このほかに自宅には、ブランデーが何本かと、アブサンが置いてあります。あとはもちろん、樽付けのアイリークがあります。
 実は、私のコレクションのうち、メインのものは船に積んであるので、自宅においてあるのは半分も無いのですが。
 まあ、飲兵衛の自宅なんてこんなものでしょうね(^^;


12/17(月) 22:47

 佐世保事件の犯人、ボートに車にガンマニアでカトリックと、ずいぶん私と趣味が近い人間だな、と思っていたら、実はそうじゃなかったようですね。
 どうも、犠牲になった倉本さんにアピールするためにボートや車を買ったようです。
 そんな付け焼刃の趣味でモテるはずもないし、そもそもそんな偽りの自分で付き合い始めたとしても、その後も偽り続けるのは無理な話です。
 しかもそれで破産しかけてれば、本末転倒もはなはだしい。
 なんというか、そもそもの動機まで含めて、あまりにむなしい事件です。


12/17(月) 13:00

乱射事件 友人全員殺害計画か
http://mainichi.jp/select/jiken/sasebohappou/news/20071217ddm001040046000c.html

 例によってニュースから。
 なんと佐世保乱射事件の犯人、無茶なローンを組みまくった挙句、返せないからと周りを巻き込んでの自殺を企てていたのではないかという記事です。

 無職の身で新車やらボートやらを買っていたということですが、そもそも、船をローンで買うなんて論外中の論外です。
 船乗りなら誰もが知っている船を買うときの鉄則は、生活費などの当面の必要金を抜いた金額の3分の2までの金額の範囲内で、船本体+初年度係留費+初年度保険料を収めましょう、というもの。
 また、相場より格安の船は、レストアの趣味でもなければ買ってはならないのが大原則。要するに、修理費分が安くなっているだけなんですから。
 特に、40万円台の超中古艇なんて買えば修理費は数十万に上ったはず。
 無職の人間がそんなものに手を出せば、経済が破綻するに決まっています。
 記事を読む限りでは、犯人本人は精神に失調をきたして抑制が効かずに買い物を続けてしまった傾向がありますが、ローン会社は一体全体、どんな審査をしていたのでしょうか?
 銃の所持許可といい、ローンの審査といい、この手の壊れちゃった人間を拒否する仕組みは、絶対に必要だと思うのですが。


12/16(日) 02:34

 ちなみに、この樽は熟成用の本物の樽と違って、せいぜい1月くらいしか保存は出来ません。
 そりゃ本物のタルと同じ樫の木のオーク樽ですから、少しは木の香りも付きますが、あくまでもただのテーブル用の移し変え容器で、見た目と気分だけの飾り物。
 購入を考えている人は、要注意です。


12/16(日) 02:10

 今日は、実に師走らしい週末でした。

 朝から車で走り回り、立ち寄ったロイヤルホストで昼ごはん。
 農大との共同開発メニューがあるということで、それを注文。
 ”かむかむ30−赤松鯛とみつせ鶏団子のみぞれ鍋御膳”だそうです。
 そして一口。


 そう。農大時代。それは私の人生でもっとも貧しい、極貧きわまる時代でした。
 そもそも貧しい家庭でしたので、私は漫画の専門学校に行こうとしていたのですが、下手に成績が良かったために親戚中に止められ、大学進学となったのです。しかし、そこは貧しい一族。高校の先生方が是非と推した美大が何かもわからず、本人の希望の文学部も男が文学部なんてという偏見で、専門学校から数えて第4志望の農学系を受験し、一年の浪人生活の末に農大に入ったわけです。
 成績だけで選んだ第4志望なんて気が入るはずもなく、絶望のままに留年。しまいには在学中に親の勤めていた会社が倒産したこともあり、一人暮らしをしながらも、生活費の上に行きたくもない学校の学費まで夜のバイトで稼ぎ出しつつ、昼は学校に通う、そんな生活をしておりました。
 明日の朝食以降のことは何も考えず、希望も持たず、無責任な親と世の中を恨みながらただ生きるために働くしかない。そんな人生を知った時期でした。
 ただ、駄文を書くことと、友人が貸してくれたCGソフトで絵を描くことだけが唯一の救い。そんな生活でした。
 そんな、社会の底辺も底辺の生活をしていたときのことを思い出します。

 ……そう、そんなときにこの味を食べた気がする。
 そんな、なんと言うか、侘しい味でした。
 これで1350円。
 ちょっとその、なんですね(^^;
 これはないんじゃないかな、と。
 いろいろ思い出しちゃいましたよ、あまりの味に。
 まあ、確かに農大時代を思い出す味でしたが、ちょっと意味が違う気がします。


 午後は、気を取り直して、車をいったん家に置いてから新宿に。
 そう、今日は、mixiで集まった、業界関係者の飲みの日なのです。
 狭い業界だけあって、少し話せば皆さんにつながりが出来、あの作品は、この作品は、といいながら、楽しく時間を過ごします。
 あっという間の3時間。いやあ、いい飲みでした。

 その後、終電ぎりぎりで何とか帰宅。
 最初乗った電車が途中で終わっていることに気が付き、慌てて新宿に引き返しての帰りでした。

 家に帰った後、先日購入した樽に、いよいよウィスキーを注ぎ込みました。
 オークの木で出来た、750mlのミニ樽サーバーです。


 容量が、ちょうどビン一本分なのが素敵なところです。
 ウィスキーの計り売りの店で買ってきた容器で、最初買った直後は水が駄々漏れの駄目樽でしたが、一昼夜水に浸したところ、ちゃんと気密を取り戻しました。良かった良かった。
 樽を水に浸した分を考えて、注ぐウィスキーはカスクストレングス(樽で貯蔵していたときの高いアルコール濃度のまま販売されたもの)に。
 この樽には、アイラウィスキーの無銘モルト、アイリークのカスクを注ぎました。
 テーブルに置くとお洒落でいい感じです。
 ただサーバーとして便利なだけでなく、食卓に、オークの木の良い香りが広がります。
 実際に使ってみるとかなりお洒落なモノなので、ヨット用にも追加でひとつ買おうかなと思っています。


12/10(月) 09:59

 先週末は、フランス車の集いフレンチフレンチの東日本版、フレンチフレンチ・イースト(FFE)に参加してきました。




 このイベントは、フランス系ショップであるカルフールの屋上にフランス車が集うだけという、ゆるーいイベント。もちろんカルフールの協賛付きですが、協賛だからといっても場所を貸していただく&ポスターを店内各所に貼っていただくだけで、何か専用の物を売るとはいうわけでもありません。
 参加料も無料。
 そんな、本当にゆるーいのんびりイベント、それがFFEなんです。
 私も、いつもの通り、お茶のサーブをはじめましたが、プジョーの集合場所が大会本部前だったこともあり、火気厳禁の状況で、あっという間にお湯切れ。
 ただ色とりどりのフランス車を眺めてボーッと過ごす、休日の昼間となりました。
 まあ、たまにはこういうのもありですよねえ。

 その後は、マリーナでクリスマスパーティに参加。
 仕事でお世話になっている方を連れての参加でしたが、なかなか好評でした。
 来年からは、レース参加艇だけでなく観覧艇も募集するそうで、そちらならありかなあとも思えるのですよね。
 私のシーマンシップ(操船術)は完全にRYA(英国王立ヨット協会)式のやり方になっているので、すでに日本のレースのやり方とは合わない状態なんですよね。だから、他艇での参加も難しいかな、と思っていたところだったのです。それだけに、ありがたい募集案でした。
 歴史あるRYAの伝統を勉強中の一員としては、覚え掛けのRYAのやり方を曲げて日本のレース艇にあわせるなんていう器用なマネは、なかなかに出来ないので(^^;(自分、不器用な人間ですから(^^;)
 だからといって、もちろん、レースをやられている諸先輩方の技術は参考になるわけで、それを勉強する方法として、観覧艇参加というのはありですよね。
 ヨットには色々なアプローチがあって、面白いですよね。


12/4(火) 20:15

東国原知事 徴兵制発言を謝罪
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2007120401000497.html

 例によってmixiニュースからですが。
 農大出身者としては、農業なめんなと言いたいですね。
 そんな、右も左もわからない気力も無いガキを徴用しても、足手まといなだけで、何の役にも立たない。それどころか、本人の身に危険もあって何もかもマイナスでしかないのです。
 事実、ポルポトも毛沢東も、農業を甘く見たあげく、徴農を唱えて国を滅ぼしかけているわけで。
 農業ほど学問と隣接している仕事は無いのに、何を考えているのでしょうか?
 田舎の人たちが何も考えず、何も勉強せずに農家をやっているとでも思っているのでしょうか?
 手厳しいようですが、これでは、お笑い芸人のママゴト知事だというレッテルを返上することはほど遠いのではないでしょうか。


12/3(月) 17:29

野犬に襲われ85歳ショック死?
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_07120355.htm
 例によって、ネットのニュースからなのですが。

 犬って、骨を砕くようなパワーは無いんですが、そこのところの検証はどうなっているのでしょうか?
 犬による死者は、血管を食いちぎられたことによるか、あるいは無数の傷によるショック死であって、全身の骨を砕くというのは聞いたことが無い例なのです。
 被害者のご老人が、歩くのもできないほどの骨粗鬆症やカドニウム中毒というのならばともかく、元気に農作業をできる方という方なのであれば、指の骨はいけても腕や足の骨は砕けないかと思うのです。ましてや肋骨は形状から言っても犬には無理。
 単に、交通事故に遭って亡くなったのを、野犬がご遺体の味見をしようとしてマズイからあきらめた、という方が自然に思えるのですが。(犬は、長年の人との共生で、人の肉をマズイと感じるように出来ています)
 また、そもそも日本の山野には、古来から山犬が多く生息しているわけで(柴犬や紀州犬は、そうした山犬の子孫です)、ペットブームや捨て犬と絡めての報道にも疑問を持ちます。
 このままでは、事故の犯人が得をして周囲の野犬が大迷惑を被って終わってしまう気がするんですが、どうなんでしょう?


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