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 今回の南北朝鮮間の砲撃戦で、たまたまこの時期に仁川経由の飛行機でニューヨークに行っていたため、見事に騒ぎに巻き込まれる結果となってしまいました(^^;
 そこで、現地で手に入れた英文記事等を中心に、日本で報道されていない今回の砲撃戦の裏面を簡単にまとめてみました。

***

「K-9戦争:北の「大勝利」と煮え切らない状況」

 砲撃直前に閉幕したソウルG20では、韓国の「成功」がアピールされていた。それは、すでに韓国製自走砲K-9を購入契約済みのトルコと、これから購入する予定の豪州の二国との交渉成功も意味していた。北朝鮮としてはNATO諸国の標準兵器としてK-9が採用される事態は避けねばならない。K-9がNATO諸国などの標準兵器ということになれば、万一朝鮮戦争が再開した場合、K-9供与国は自国兵器供給者である韓国を守るために行動する可能性が高い。また、北朝鮮が第三国に武器を販売していることは周知の事実で、この商売敵としての脅威もあるだろう。
 今回の北の砲撃は、はじめからK-9だけにターゲットを絞った砲撃が行われ、その性能の低さをアピールすることに力が注がれていた。K-9の売りは重前面装甲とそれに伴う自重によるバンカー打ち込み不要=展開力の早さであったが、実はカタログスペックほどの性能がない事が漏れていたものと思われる。
 事実、北朝鮮の砲撃は目的を達し、K-9がカタログスペックほどの高速応射能力を持たないこと、発射速度も一分半に一発とカタログスペックの実に九分の一しかない事を暴き出した。しかも、延坪島に配備された六機のK-9の内三機は故障で初めから使えなかったというオチまで付いた。まさに北朝鮮の大勝利である。
 この失態により、K-9のオーストラリアの購入は白紙に戻る可能性が高まったと思われ、G20の「成果」は失われた。北朝鮮は目的を達したのである。これにより戦闘は終結し韓国国防相が更迭された。韓国の敗北である。しかし反面、この砲撃は北朝鮮自身の思わぬ欠点も暴き出した。
 その着弾円から見るに、今回の砲撃はK-9の位置を事前に察知した上での入念に準備されたものであったと予測されるにもかかわらず、北朝鮮の砲撃は目標であるK-9自体に命中しなかった。その着弾円はあまりに巨大で、基地外の民間施設にも命中し、全170発の砲弾の内、実に90発近くが海に落ちる有様だった。
 今回の砲撃戦は先述の通り、北が作戦目標を達し「勝利」した。韓国K-9の販売も今後は困難になるだろう。しかし、民間施設誤爆や海への命中は、北朝鮮の軍事練度が極めて低下していることを図らずも内外に広報してしまう結果を生んだのだ。26 日に行われた北による砲撃訓練は、この結果を北自身が良く自覚しているのだと思われる。この砲撃訓練は、示威行為というだけではなく、実戦でのあまりの練度の低さに頭を痛めた北朝鮮上層部による訓練指示であったと考えられるのだ。作戦には勝利したが、戦略では痛み分けといえる。
 以上から、この砲撃戦はいったん終了し、現在のところ朝鮮戦争再開の事態は回避されていると言える。韓国も敗北を自覚し、金泰栄国防長官などを「戦闘拡大自制せよとの失言」を理由として更迭した。しかし、南北対話の道は絶たれ、北の核開発は進む。今後も緊張状態は続くと思われる。
2010-11-27_05:24-teduka-C(0)::Politics

 オリジナル民主党の騒動の根幹にある部分に「俺たちは正義のサヨクだから悪のウヨクを駆逐するのは当然」という思考があるように見受けられます。また、ネットウヨク騒動はその反対に「俺たちは正義のウヨクだから悪のサヨクを駆逐するのは当然」という思考があるのでしょう。
 しかし、保守革新対立の左右論なんて、全く本質的な問題じゃなく、単に米ソ対立をそれぞれの陣営に納得させるための後付け理由に過ぎない訳です。人種対立や富裕対立、宗教対立などの非対称の戦争の現代には、有害なだけの思考論理なんですよね。
 過去、左右論で左右共に利益が得られたのは、左派はソ連陣営、右派は米国陣営からそれぞれ工作費を融通して貰え、貿易などで有利にして貰えたたから、というだけのことなのです。つまり、左右論は、ソ連崩壊と同時に利益を生まなくなった無意味な論なのです。
 こうした、ソ連崩壊後は経済的に無意味だから左右論は時代遅れだという指摘をすると「政治論にはイデオロギーの裏付けは必要」だのという妙な返答が返ってくることが多い。経済的裏付けのない政治論など、宗教じゃないか。そうした宗教的思想を現実政治に持ち込むから、国が凋落していくのです。
 ソ連崩壊後、左右論が無意味化したという論で最も注意すべきところは、経済的裏付けを失って無意味化したのは左派だけではないというところです。ソ連崩壊で米国が自陣営を経済支援する理由を失ったので、右派も経済的裏付けを失い、政治的に無意味になって居ます。左右論そのものが無意味化したのです。
 もう、左右論なんていう古くさい思考は捨てましょう。我々日本人全体の共同体である国家の利益をどう上げるか、国家の発展をどうするのか、そこに思考起点を置いて、徹頭徹尾そこを追求しましょう。
 そうでなければ、この厳しい21世紀、我が国は生き残れません。
2010-11-12_12:26-teduka-C(0)::Politics