日記のページロゴマーク 2003年7月28日



 
 ■SIGGRAPH 東京


 日本人SIGGRAPH参加者の7割が集まるといわれるのが、このSIGGRAPH東京のイベントです。
 会場横のホテルのボールルームを借り切り、今年も盛大に執り行われました。



 このイベントを主催されている今間先生。
 バッヂの数が圧倒的です!
 ちなみにこのバッヂ、今までは毎回デザインを変えていましたが、今年以降は変化無しになるそうです。
 少々残念ですね。

 
 ■Electric Theater


 そしていよいよお待ちかね、Electric Theater(ET)の開幕です。
 アカデミー賞の規定により、ETは全5回上映されます(アカデミー賞短編部門に応募する条件の中に「有料で5回以上上演されること」というものがあるため)。第一回目のこの回は、受賞者やマニアの集まる非常に濃い回なので毎回楽しみに来ています。


 見てください、会場のこの熱気を。
 上演中は撮影不可のため、詳しいものは紹介できませんが・・・
 非常に楽しめたことだけはお伝えしておきます。

 去年の「鎮魂」というテーマから一歩脱却して、エンターテインメント性の高いシアターとなっていました。

 
 ■世界で一番早い(?)MAX6レビュー


(max6関連の記事では、写真をクリックすれば拡大します)
 で、その後、私の泊まっているホテルで非常に重要なPress発表会があり、そちらに駆けつけました。
 そう、見てください、このロゴを。
 Discreetの誇る世界のディファクトスタンダード3Dソフトウェアの新バージョン、3ds max6の発表です!!



 見て判るとおり、インタフェイスに変化はありません!!
 この瞬間、会場がどよめきました。
 3DCGを専門にする者にとって、これがどれほど重要な意味を持つことか。
 インタフェイスはソフトウェアの顔です。それをバージョンアップで変化させない、ということは、機能面であまりに大きな成長があるため、インタフェイスを変える必要が無い、ということなのです。



 そして、これがmax6の代表的な追加機能一覧です。
 そう、うわさにはありましたが、ついに、mental ray 3.2がmaxに標準装備されるのです!!
 mental rayは、ハイエンドレンダリングソフトの覇者で、比較的早い計算ですばらしく高品位の画像を出力することができます。特に光と反射・屈折の美しさには定評があり、今までは表現の難しかった水中での水の雰囲気や、光を周囲に散乱する宝石のような表現も実現可能なのです。
 今までも別売りで購入可能でしたが、価格が高く、通常のプロジェクトでの導入は困難だったのです。


 これがそのレンダリング中の画面。
 ぐるぐると中央からレンダリングが広まる様子は、まさにmental rayのそれです!
 max6のロゴは、このレンダリングの様子もイメージしているんですね。


 プリセットシェダーは元祖mental ray搭載ソフトウェアのsoftimage|XSIよりも多いほど。レンダリング用のライセンスもついてくるということですので、大いに期待できます。



 それだけではありません。
 強化されたreactor2では、今まで困難だった物理シミュレーションの数々が、かなりの高品位で動作をするようになります。
 たとえばクロス(布)シミュレーションや、無数の物体同士のぶつかり合いなどをリアルに、そして確実に表現することが可能です。
 しかも、ただ正確なだけでなく、非常に速い計算速度にも驚かされます。



 今回のmax6のバージョンアップにはSEGAさんが全面協力をしており、そのため、非常に実用的な機能が大量に増えています。
 たとえば、片面ポリゴンから物体の内側に押し出して壁面を作成することが可能で、これは、多くのモデラーが待ち望んでいた機能といえるでしょう。
 また、スケマティックビューも飛躍的に改良され、なんと、ビューポート表示と同じ位置関係でオブジェクトを表示させることができるようになりました。


 max6上で頂点カラーを直接3Dペイントできるようになったことも、大きな成長です。


 パーティクル機能の強化も見逃せません。
 パーティクルインタフェイスもすっきりとし、改良されたスケマティックビューのインタフェイスを応用して、視覚的にわかりやすい操作が可能です。
 maxのパーティクルは高性能で定評がありましたが、反面、パラメータが多すぎで慣れるまで時間がかかるという欠点がありました。しかし、このインタフェイスならば、相当楽にパーティクルを扱うことができるでしょう!

 ・・・と、非常に盛りだくさんのmax6。
 気になる発売日は、10月下旬。
 価格は、従来と据え置きになるようです。
 従来ユーザーはサブスクリプションを活用すれば相当安価に導入できることも魅力です。
 ここ1,2年の間3DCGソフトウェアは停滞気味でしたが、その空気を一気に吹き飛ばす名ソフトが誕生した、といえるのではないでしょうか。

 正直、あまりの出来の良さに、感動しています。
 これは、本当にすごいです。
 SIGGRAPHに来て、良かった・・・

 
 ■Papers Texture Image,Video,and


 ようやくPapersを見ることができました。 ”Texture Image,Video,and Texture”というもので、昨日のプレビューで非常に興味があったやつです。
 SIGGRAPHの論文は、Keynotesを発表した異様に大きい2000人以上収容の部屋で行われます。2000人がひとつの数式に一喜一憂するさまは、ここでしかお目にかかれません。
 夢中になりすぎて写真を撮り損ねたのですが、Sing Bing Kangらの”High Dynamic Range Video”は大変面白いものでした。
 Videoではフィルムと異なり、色や明るさの記録幅が非常に狭く、たとえば”暗い室内から見える明るい海辺”というものは撮影できません。暗い室内だけを見るか、あるいは、明るい窓の風景だけを見るかになってしまいます。そのため、ビデオはフィルムに劣るといわれ続けてきました。(あと、コンピュータノンリニア編集が普及するまではリニア編集しかできなかったのも致命的欠点だったのですが。これを見ている教え子諸君、覚えておくようにね!)
 そこで、この論文を発表された先生方は、レンジ(撮影帯域)の異なる複数の画像を合成して、暗い部分と明るい部分を自動的に混ぜた映像を作成する手法を編み出し、それを発表していました。
 同じ位置から複数カメラで撮影する事自身が困難なため私がすぐ使えるとはいえない技術ですが、ビデオカメラに組み込まれれば、CCDからの受信系統を分けるだけなので、比較的実用化は楽な技術だと思います。
 実用化が非常に楽しみです。

 
 ■Keynotes


 いよいよSIGGRAPHも二日目に入り、基調講演の開演となります。
 このコーナーには、毎回毎回CGとはあまり縁の無さそうで実は縁のある有名人をつれてくるので楽しみにしていたのですが・・・
 なんと今回は、イギリスの宇宙研究者の方でした。
 宇宙を構成する物質では通常物質は少なく、ダークマターとダークフォースが多いという仮説は6次元の数式になるため人間には理解できないのですが(ご本人ですらも直感的にはさっぱりわからないそうです)、それをCGで映像化することによって一目で理論が正しいことを証明する、というお話でした。
 具体的な人物紹介がされなかったのでわからないのですが、多分この方、宇宙がダークフォース(虚無の空間それ自身にモノを押し広げる力があるという理屈)に満ちていて、その力で思った以上に押し広げられており、結局宇宙は縮小せずに無に帰してしまう可能性が高いという画期的な発表をなさった方ではないかと思います。(朝日新聞の読みかじりのあいまいな記憶なので、日本に帰ったら改めて調べます(^^;)



 その後で会場をうろつくと・・・
 エキシビジョン会場は設営真っ只中です。

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