で、ようやくPaperを見ることが出来ました。
良かった良かった。
まずはじめに見たのがCharacter Animation。Paperはジャンルごとに分かれているんですよね。


カートゥンキャプチャー(Turning to the Masters: Motion Capturing Cartoons / Christoph Bregler, Lorie Loeb, Erika Chuang, Hrishi Deshpande)が面白い。
ピクセルをいくつか追跡してそれをポリゴンメッシュとして把握する、使い古された手法なのだけれども、それをアニメに限定して応用したところが斬新。

それに対して、一番初めに発表のあったビデオフェイシャルムービーの自動合成(Trainable Videorealistic Facial Animation / Tony Ezzat, Gadi Geiger, Tomaso Poggio)は確かに最新の、すさまじいまでの技術だけど、使い道に困るところ。窓口の自動応対システムとか色々言っていたけど、明らかに研究先行の付け焼刃的利用方法で・・・
いや、言いたい事はわかるんだけど、自動化するんだったら3Dじゃないとダメでしょ。2Dムービーだと、過去の俳優を復活させるとかの方法もあるけど、それは別の技術ですでに実用化されてるし・・・。でも、宇多田ヒカルを歌うフェイシャルムービーは秀逸でした。こういうのいいね。
フェイシャルムービーは研究急務なジャンルではあるのですが、出力が2Dビデオだと、制作に手間がかかる上に応用が利かないので、かなり難しいところ。
でも、これをテクスチャにして、3D化とかを研究したら面白いかな。Web3Dとかゲームインタフェイスとか。
日本に帰ったら、お世話になっている大学院の先生に相談してみよう。
続くモーション自動生成についての論文(Synthesis of Complex Dynamic Character Motion from Simple Animations / C. Karen Liu, Zoran Popovice)は、今までとは考え方が違う面白い手法。Character Studioなんかも凄いけど、あれは結局、実写のモーションデータがベースだもんね。キャラクター中心の上下移動に合わせて生成される完全自動生成は非常に面白い。ロジックで生成しているから、足が何本に増えてもいいというのは凄いな。
・・・これが実用化されたら本当に便利だなあ。

その後、バーチャルキャラクターアニメの自動生成の話。(紹介は避けます・・・)
彼とその論文の出自を見れば、MITのメディアラボ! これはさぞやと思いきや・・・
・・・しかし・・・
これがつまらない。
数式の説明も無ければ、デモも下手。ただクオリティの高いカートゥーン調のグラフィックだけが流れる。・・・これって、カートゥンレンダーの論文じゃなくって、モーションの論文じゃなかったっけ?
彼の前の3人の女の子の論文が最高だっただけに、あまりにつまらない。
当然、次々と席を立つ聴衆。
聴衆も世界中から忙しい時間を割いて集まった一流のCG屋。つまらない論文に割いている時間など無いのだ。皆、そろいもそろって部屋の外で携帯電話をかけ始めたり、ノートパソコンで仕事を始めたり・・・(paperはFull Conferenceのみなので、一流かどうかはともかく、相当のCG好きじゃないと部屋には入ってこれないのです。ちなみに私もこの論文に切り替わってから、すっかり日記執筆モード)
アメリカの有名大学を出て、それなりの経歴があれば、大学や権力の力でこの場に来ることは実は簡単なのです。でも、そこから先は・・・
・・・気づけば席はがら空きに・・・
・・・ショックを隠せずに、最初の自信もどこへやら、途切れ途切れの発表をするおじさんの姿が痛々しい・・・。まあ、これでキャリアが終わるわけではないんでしょうけど、この反応はショックでしょうねえ・・・
有名だからといって、凄い研究所にいるからといって、油断するとあっという間に愛想を尽かされる。これも、SIGGRAPHの健全な姿なのです。
あ、くそっ!
ちなみに今、二つ隣の席の奴が突然立ち上がって会場から出ようとして、私の足を踏んでいった!
サンダルだから、めちゃくちゃ痛い!
思わずうめくが、詫びもせず、相手は逃走。
畜生、あんにゃろ!また日本人だよ!!
・・・つくづく論文とかそういうレベル以前の問題が多いなあ、わが同朋は。
こりゃ、昨日の某メーカーパーティでの仕打ちも判るなあ・・・とほほほほ。