日記のページロゴマーク 2002年7月21日



 
 ■本日のSpecial Sessionは日本風ヨーダの煮付け!

 午後はカニ歩きの挙句、イメージベースドレンダリングに行き着きました。
 午前同様X3Dから見始めたのですが・・・いや、なかなか・・・。睡眠不足解消にはもってこいなんですが・・・(笑)
 VAIO-U1はディスク容量が限られるため、前日の夜に受講用データを入れておくのですが、結局は会場でどんどん入れ替える羽目になりました。お陰でバッテリーの持ちが悪いのが問題。
 換わりに飛び込みで見たイメージベースレンダーは、こりゃ、最高に面白いですね。どの演者も(通常一つのコースは複数の演者で構成される)、結局は、画像の成分ごとにレンダリングをしてそれを合成するしかない、と口にするのはまあそんなもんか、というところでしたが。
 ただ、「機材は特別なものを使ってはならず、手軽に誰でも使えるものにしなければならない!」と口走った直後に、とてつもなく高価な機材が5個も6個も出てくるのはお約束。普通の人どころか、普通のスタジオは、360度撮影可能なパノラマ台なんて無いってばさ(^^; いくらカメラに安いデジカメを使っても、ダメなものはダメ。
 日常で道具を使ってると、それがどんなに珍しいものか、忘れちゃうんですよね。私もうっかり出版社に3ds maxファイルでデータを送って、困られたことがありますし。


 その後は、待ちに待っていたSpecial Session!!
 スターウォーズ2の話とあって、会場は開始前から大盛り上がりです。
 内容は・・・ヨーダの作り方がよくわかりました。
 というか、よく動きますねえ、今回のヨーダ。演者自身も愚痴っていましたが、従来のスターウォーズシリーズとの間をどう埋めるのだろう?

 このときには隣に座った学生さんがなんとも積極的に話しかけてきて、非常に楽しめました。私が、英語は苦手だ、聞くのは出来るけど、というと、私の持っていた辞書を取り上げて、積極的に会話開始。突発的英語練習タイムと相成りました。そういえば名前も聞いていないなあ。彼。セッション中で、写真も取れなかったし。
 また、Sessionの待ち時間にもやはり大学関係の人とお話できました。こちらはプログラムの助手かなにかをやっている人でしたが。
 それに比べて日本人学生は、学生同士でたむろして誰とも会話せず、レジュメも見ずにぽかんと口を開けて映像を見てるだけ。カメラを向ければうつむいでフリーズするだけだし、コメントを取ろうとしても「日本人じゃないんです〜」などと訳のわからないことを言って逃げるだけ。思いっきり日本語で逃げてど〜する(^^;
 日本の学生はあまりに情けないなあ・・・
 そういえば、会場で体当たりをしてきたり、道を塞いだ時に謝りもしない無礼者がいると、大体日本人でしたね。・・・Excuse Meくらい口にしても、バチは当たらないぞ?



 と、気を取り直してSpecial Session。
 「この映画を作るのに、例えば日本のサムライが大変参考になった」と口にした直後に出てきた名前が「ジャッキー・チェン、ブルース・リー・・・etc」・・・おっちゃん、彼らは全員中国人だってばさ。
 で、「参考になったサムライ映画です」といって会場に流れたのは・・・

 しなりながら無数に飛び交い相手に襲い掛かる日本刀!
 ベトナム民族衣装と和服のあいのこに泥をまぶしたような怪しげな衣装!!
 念力で宙を飛び、空中戦を繰り広げる敵味方のサムライたち!!!
 そして、よくわかんない日本語(と思われるうなり声)!!!!

 ・・・こ、これはどうみても違うでしょ・・・
 カンフー映画をエセ日本風に味付けした感じです。ただ、元が何なのかはわかんなかったけど面白そうな映画ではありました。怖いもの見たさで一度見てみたい気はします。
 色々な意味で印象的なSessionです。




 あ、そうそう。印象的といえば、NG集をやっていたところが驚きました
 今までのCG映画に良くあったようなわざわざ作ったものや、クリエイターのお遊びではなく、本当のNG。シミュレーションとエクスプレッションの塊になった今のCGは、ちょっとした設定ミスで、十分にNGを出し得るのですね。
 俳優と違ってミスが無いからコストエフェクティブだ、というのもCGのうりだったはずですが、もはやそんなことを気にする人はいないようです。
 CGは、どこに向かうんでしょうね。
 大笑いしながら、そんなことをふと思った一日でした。

 
 ■ひと、ヒト、人

 私がSIGGRAPHに来る非公式な理由のひとつに、人に会うため、というのがあります。
 普段はお話すら叶わないような方々と、お話できるのもまたSIGGRAPHの良さなのです。
 昼休みになり、早速ロビー付近をうろつくと、さまざまな人にお会いできます。今日は、まだ頭の中が英語に切り替わっていないので、日本人の方を中心にお会いしました。

 まずは、いつもどおり、我が師、杉山先生に御挨拶。ところが先生、珍しく私のことを「手塚さん」とさん付けで呼ぶ。何かと思ったら、メモリースティックの手持ちが尽きたから貸して欲しいとか。そのくらいでしたら喜んで。
 我が師よ。
 あの時は言えませんでしたが、私も昨日U1の電源コードが行方不明になりかけたとき、真っ先に先生の顔が脳裏に浮かびましたので、実はお互い様なのです(笑)
 幸い見つかったから良かったものの、もし見つかっていなかったら、不遜にも、バッテリーの充電を平にお願いをしていたことでしょう。(我ながら、まさに無礼者の不貞の弟子ですね(^^;)
 ・・・しかし携帯用OA機器って、同機種を持っている人がいると、こういう融通が利くのですね。今までは考えなかった利点です。
 いま、実は仲間内にU1関連製品購買を強く勧めているのですが、この野望が達成されれば、このあたりの利点が大分広がりそうです。(我ながら、まさに無礼者)

 つづいて、尚美学園の先生方にお会いしました。
 早速、諸先生方のお写真をパチリ。
 皆さん非常に経験豊富な大先輩で、SIGGRAPHも手馴れていらっしゃいます。



 中でも今間先生のバッヂの数はまさに圧巻!


 さらにさらに、いつもSIGGRAPHでお世話になる学生ボランティアの小林君。
 彼と同じく学生ボランティアの田中君には、英語が下手な私は、いつも助けられています。
 今は忙しそうでしたので断念しましたが、今回の滞在中に何とか彼らを飲みに誘いたいものです。

 さて。
 SIGGRAPHの使い方は人それぞれで、それは、特にこの「人と会う」というところにも現れます。
 私はもう、お祭りモード全開で、29歳という若さを売りに立場かまわず色々な人に会いまくるのですが、他の方に聞くと、それはもう色々な使い方があります。

 例えば、某有名大学で教えていらっしゃるとっても高名な某先生はSIGGRAPH会場をいろんな人に声をかけて歩いているのですが、私のような小物には絶対に声をかけない。もちろん、こちらから挨拶をしても返事もしない。彼にとって、SIGGRAPHとは出世のための手段、仕事上のプレゼンの場なんですね。だから、自分よりも立場ある人・有名な人だけをターゲットに、ひたすら会場内を行脚するわけです。これもこれで、ひとつの手段。あの割り切りはすごいな、といつも感心をしています。やっぱりプレゼン一本で這い上がるためにはあのくらいはしないとダメなんですね。
 また別の、これまたとっても偉い某先生は、逆に若い人を中心に声を掛けて歩いています。もちろん私にもお声掛けいただいています。伺ったところ、SIGGRAPHには普段会えない人に会いに来ているのだから、ふだんなかなか話す機会の無い若い人にこそお話をしているのだとか。「どうせ、年寄りとは嫌でも日常で話すからね」だそうです。これもこれで、立場のある人はさすがだな、と思います。
 他にも、学生参加者の人では、明確に就職活動と位置づけて企業関係者に会うようにしている人もいます。逆に、学生らしく、女の子を中心に声を掛けている人もいます(笑)

 こちらは、店員のお姉さん。
 SIGGRAPHを構成するもうひとつの面が、こうした会場側のスタッフです。
 彼女らは、SIGGRAPHスタッフではなく、純粋にコンベンションセンターに雇われている人々。彼らは比較的低所得者層化、あるいは地元の学生さんであることが多いのですが、元気に楽しく生活しているのが伝わってきます。日本ではアメリカの金持ちの面しかアピールされませんが、これもまたアメリカ。
 2001年のロスアンゼルス大会のときには、SIGGRAPH関係者はもちろん、こうした周囲の人と仲良くなったのが思い出です。

 さて、昼休みもおしまい。
 そろそろ長袖の上着を着込んで、凍える会場に戻ります。

 ちなみに本日の手塚一佳昼食の図。

 電源コンセントの都合でただでコーヒーが飲めるプレスラウンジを出て、床で食事と相成りました。電源の無いプレスラウンジって、使い道に困りますよね。コーヒーや電話なんてどうでもいいから(いまどき携帯持ってないPRESSなんて、世界中探してもそうはいないでしょ?)、せめて電源とPCだけは欲しかった・・・

 お陰で、CGクリエイターという言葉の響きからは大変かけ離れた姿です。
 胸に輝くMEDIAバッヂがなんともわびしさを強調してます。
 ・・・とほほほほ。

 
 ■コース開始!


 いよいよ、SIGGRAPH一般参加者にとってのメインのひとつ、コースが始まりました。
 本格的な論文発表は23日からなのですが、その前にこうしたコースで他人の(しかもトップクラスの人たちの)やり方を学んでおくのは悪いことではないですよね。
 まず参加したのが、X3D。これは、Web3Dの標準化を目指す人たちの規格化したWeb3Dで、出る出るといいつつ、もう2年も押している困ったものです。
 しばらく見ていましたが・・・
 ・・・とりあえず、次(笑)

 このように、つまらないな、と感じたら、すぐに移動できるのがSIGGRAPHの良いところ。逆に言えば、どんな大企業がバックについて最新の映画をネタに人を集めても、休憩を挟んだ後では、シビアに人が減ることも間々あります。逆に、貧乏で風体のさえない学者先生のコースが以外に面白く、最初は10人前後でちんまりとやっていたのが、休憩後には口コミで人があふれることもあります。

 次に、やはり同じコースを受けていた深野先生と合流し、FlashMXを使った数学教育についてのコースを受講します。二人ともWeb3Dをやっているほか、私はヒューマンインタフェイス、深野先生は教育インタフェイスと研究テーマが重なるので、同じコースのことが多いのです。
 これが意外に面白い!
 今実は講義を受けながらこの記事を打っていますが(全館無線LAN完備!)、午前中はこのまま居つくことになりそうです。

 このコースでなかなか衝撃的だったのが、Flashに対する提案。

Curerent highlight
1,3D Games in Flash
2,Web Services
3,Flash Remotiong
4,Flash Communication Server
5,Rich Media Applications
 また付記として、FlashはJAVAにも積極的に触れるべきだ、と提案をしていました。

 これらが本当に導入されれば、現状のDirectorと変わりません。弊社でもDirectorによるゲーム作りをしているのですが、不自由でなりません。結局、ユーザーの要望は、やはりここに行き着くのだな、と実感します。
 これがMacromediaの耳に入り、実現すれば、大きく変わりますよね。

 ちなみに余談ですが、昨日掲載しそこねた、レジストレーションの様子です。

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